極寒

2001年01月15日(月曜日) 天気:今日の気温-34.9度

巨大温度計

午前9時でもこの気温
しかし午後1時にはマイナス2.7度まで気温が上がりました 

テレビ局

普段からコンスタントに寒い占冠村ですが、昨日・今日はいつもにも増して冷え込みが厳しくなっています。
昨日の午前6時の気温はマイナス35.8度、今朝の午前6時の気温はマイナス34.9度です。
相変わらずデジタルカメラを片手にうろうろしていると、道の駅にある温度計の前にテレビ局の車が止まっているのが目に入りました。
何気なーく近づいていくと、さわやかなお兄さんから突然「三浦さんですか?」と名前を呼ばれました。
「はぁ、そうですが。」
「いつもお世話になっております。私、粥川です。」
さわやかなお兄さんは、去年も電話で占冠村の寒さを取材された北海道放送(HBC)の粥川(かゆかわ)さんでした。
今回は粥川さん自らが取材がてら-30度の世界を体験しにいらっしゃったようです。

粥川(かゆかわ)さん

今日朝の6時過ぎからずーっと外にいたという粥川さん。
初めてお会いしましたが、恐ろしく礼儀正しく、そして爽やかな好青年です。
「マイナス34度の時から居たものですから、今のマイナス25度が暖かく感じます。」
コメントに実感がこもっていました。

破片

写真の上に破片のように散らばっているのはチューリップの花びらだそうです。
手で触れてみましたが、まるでプラスチックの破片のような手触りです。

発見

粥川さん達“厳寒実験部隊”は、どんなものが凍るのかを実験するため、いろいろなものを持ってきていました。
ミネラルウォーター、こんにゃく、日本酒、醤油などなど。
写真中央は、一気に凍った日本酒です。
今日の発見。
「醤油は凍らない。」

目玉焼き?

マイナス30度の時、外に置いておいたフライパンに生卵を落とすとどうなるでしょう?
なんと、見た目には熱いフライパンで目玉焼きを焼いているのと全く同じ状態になるそうです。
実際に実験した粥川さんによると、卵を落とした瞬間、「ジュッ」という音もしたとか。
というわけで、写真は正真正銘の生卵(冷凍卵?)です。

あなたの知らない世界

「豆腐にかすがい」「糠にくぎ」
いずれも、どんなに注意しようとも全くこたえない様子を指して言う言葉ですが、今日の占冠では、豆腐に打つかすがいはきちんとその役割を果たしています。
ことわざも、非日常の舞台では意味をなしません。

大忙し

今日は水道の凍結が続発しました。
村の業者さんも大忙し。朝の7時から電話が入り、あちこちの家を回っています。
写真は、まさに今作業に取りかかろうとしている平和工業(村の水道設備をはじめ様々な機械設備を扱っている会社です)の菊地さんです。
くそ寒い中、早朝からたたき起こされてやや機嫌が悪そうです。

*水道管の凍結・・・氷点下15度以下になるような寒冷地では、しばしば水道管の中の水が凍結し、水が出なくなることがあります。ひどい時は水道管自体が破裂することもあります。防止策は寒冷地の台所にはもれなくついている水抜き栓を閉め、地表に出ている水道管の水を抜きますが、普通の寒さではストーブを小さく焚いておきさえすればまず凍結の心配はありません。

秘密兵器

水道管の中の氷を溶かす秘密兵器です。
原理は良くわかりませんが、とりあえず電気で水道管を温める装置です。

施工状況

写真のように端子を水道管へつなぎます。
後は水が出るまでひたすら待つのみ。

大喜び

まもなく「ゴッ、ゴッ、ガリガリッ」という水道管の氷が流れる音と同時に水道管から水が流れ出しました。
最初はチョロチョロと、やがて力強く。
私も作業の様子を見ていたこのご家庭の方と一緒に大喜び。

よっしゃ、次行こう

 よっしゃ、次行こう。
重い機材を抱え、休むまもなく次の家へと向かう菊地さん。

ほんとは出るまで頑張ります

「こりゃあ、なかなか重症だな。昨日の晩から凍ってんのかい?出るべかなぁ。」
次の家でも淡々と作業を始める菊地さん。
「やってる方も、水が出てくると本当に嬉しいもんだョ。あんまり出なかったら腹ぁ立てて帰っちまう。」
こちらを見て菊地さんはニヤリと笑いました。

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