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台風15号による災害

2001年09月11日(火曜日)

台風15号による災害の様子

手前は道路です。

大変だ

いつもの産業課の朝。今日は雨です。
「おい!正治大変だ!」
田中親分のそのまた親分である赤坂親分が血相を変えて産業課に入ってきました。
「どうしたんすか?」
ポカンとした顔で応える田中親分。
「今見てきたらよ、鵡川が溢れそうなんだ。昭和37年の大洪水の時と全くおんなじだあ!」
「まーたまた、おちょくってるでしょ?」
冗談だと思い、ニヤニヤしている産業課一同。
しかし、実は紛れもなく真実で、間もなく災害対策本部が役場内に設置されたのでした。
※昭和38年、占冠村を大洪水が襲い、占冠村中心部のほとんどが水没しました。

悪魔のささやき

JR駅前にある住宅の駐車場に水が溜まり、産業課畜産担当の青木主任の車が水没しそうだとの連絡を受けた私たち。
さっそく現場へと向かいました。
既に駐車場の半分が池になっており、青木さんの車もタイヤがほとんど埋まるくらいまで水がきていました。
当の青木さんは農家の被害状況調査に出かけています。
「青木さんの車だったら、そのまんま水没させた方が面白いんじゃないか?」
「そうっすね。」
同意する五十嵐さん(林務労政係主事・田中親分の部下です)。
気づいたら自分の車が水の下。
呆然とする彼の姿を是非見てみたいものです。
結局、きちんと車は移動しましたが。

気分はアムステルダム

住宅のまん前には、1級河川の鵡川が流れています。
川幅がいつもの5倍くらいになっており、川の水位が駐車場より高くなっているようです。
まさに堤防だけで水が来るのを防いでいるという感じ。
今にも堤防が欠壊しそうな勢いです。

やべぇな

水害になった時、溢れたり崩れたりする場所は大体決まっていたりします。
相変わらず降り続いている雨の中、水が溢れそうな場所を回っていきます。
写真は、役場から500メートルほど離れた「宮下」という地区の様子。
「うーん、こりゃやべえな。」
首にタオルを巻きながらつぶやく田中親分。
黙って隣に立つ部下の五十嵐さん。

増える一方

土嚢を積んでいる間にもどんどん水が増えてきます。
「これからまだまだ水が増えそうだな。土嚢作りを急がんと。」

他人事ではない

お昼過ぎ、相変わらず強い雨が降り続いています。
コンクリートブロックで囲まれた深い水路も、もう少しで溢れそうです。
「こりゃやばいっすね。」
「そうだな。」
ちなみに、この水路のすぐ横に担当者の自宅があります。

通行不能

土砂崩れもあちらこちらで起こり始めています。

みんな頑張ってます

午後2時頃、消防団や役場の職員達は皆パトロールや土嚢積みに駆けずり回っています。
写真は、先ほど田中親分と五十嵐さんが立ちつくしていた場所ですが、既に水が溢れ、大人でも足をすくわれそうな勢いで水が溢れています。

地味に命がけ

土嚢を積みながらポーズをとる商工会の二ツ森さん。
「おーい、そのまんま後ろに倒れたら流されるぞー!」
「りょうかーい!」

元気なおじさん

斜面のあちらこちらから、アスファルトの道路に水があふれ出てきています。
写真は占冠村双珠別地区の様子。
道が川になっています。
「よーし、土嚢積み開始!」
我々産業課第2班のリーダーである田中親分、妙に張り切っています。
「元気なおっさん。」
・・・そう思いましたが口には出しませんでした。

よーし、次だ!

一心不乱に土嚢を積み続け、取りあえず流れを止めました。
「よーし、完了。次行こう!また溢れるかもしれんがその時はまた積もう!」

自然の営み

人間があたふたしている間も、静かに咲いているアジサイの花。
「諸行無常、自然の営みの前で、人の一生などとるに足らないものですな。」
そんな独り言を言ってるうちに
「オラ!三浦ぁ!早く行くぞー!」
という声が聞こえてきます。
「ハーイ、今行きまーす!」
緊急時に物思いに耽る時間などはないのです。

水没

午後4時からのパトロール中、駅前の住宅へ様子を見に行ってみました。
既に駐車場は水没しています。
水深は深いところでは70センチ以上ありそうです。

撤収

「ダメだこりゃ。」
慌てて引き返す親分。
写真左側に見えているのが水没した駐車場部分です。

道路のすぐ横が大河

占冠村の中心部を通る国道237号線から脇道に入ってみると、道のすぐ脇まで水が来ています。

畑が川

「もう少しで道が水没しちゃいますねぇ。」
「ホントだよな。」
限りなく川のように見えますが、実はトウモロコシ畑なのです。

いつもは畑です

カラ松林もすっかり水没しています。
川のように見えているこの辺り、いつもは畑です。

畑で溺れる

「おーい、あんまり深くまで行くなよー!」
ファインダーを覗いたままでどんどん奥まで進んでいく担当者に向かって、遠くから親分が叫びます。
「はーい、もう戻りまーす。」
畑で溺れ死んだとあっては、末代までの笑い者です。

いやだって言われると困るんです

占冠村占冠地区は17時30分。千歳・本通地区は18時30分。
それぞれの地区に住む住民の方々へ、避難勧告が出されました。
勧告の対象者は約600名。避難先はそれぞれの地区の小高い場所にある占冠小学校と占冠中学校です。
人口1,700人のこの村で、およそ3分の1の住民が避難することになります。
広報車で避難を呼びかけるとともに、1件1件を回りながら避難を呼びかけていきます。

何者かと思った

パトロールをしていると、暗闇の中、傘をさして立っている男性が一人。
近づいてみると、川向(かわむかい)という地区にお住まいの田中さんです。
「どーしたんですか?」
「平岡さんがねぇ、どこに行ったのかわかんないのよ。」
「了解!探して来まーす!」

つづく

午前12時近く、雨も大分小降りになってきました。
昼間土嚢を乗り越えそうだった水も大分減ってきました。
「イヤー、良かったですねぇ。」
「油断は禁物だ!」
気合いを入れる親分。
相変わらず無口な五十嵐君。
土嚢積みやパトロールでヘロヘロになりながら、「明日」へと突入していくのでした。
役場職員や消防団員、避難先の学校の先生方やボランティアスタッフの皆様、今晩は仲良く全員徹夜です。