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萱野茂二風谷アイヌ文化資料館

2001年06月23日(土曜日)

長寿の長いす

1回座ると3年長生き
2回座るとまた来られる
(北海道平取町二風谷「萱野茂 二風谷アイヌ資料館」にて)
本日の写真は全て上記資料館にて撮影したものです。

萱野茂二風谷アイヌ文化資料館

北海道旭川市から占冠村をへて門別町へと続く国道237号線を南下していくと、途中、平取(びらとり)町という人口6,600人ほどの町を通ります。
この町の二風谷(にぶたに)地区には、アイヌ民族文化の数々の資料を集めた資料館や博物館などがあります。
見かけによらず博物館や資料館の類が大好きな担当者。
二風谷地区にある資料館、「萱野茂(かやのしげる) 二風谷アイヌ文化資料館」へ立ち寄ってみたのでした。

混んでるの嫌い

外観から判断すると、内部もそう広くはないであろうこの資料館。
しかし、駐車場には青い大型バスが2台もとまっていました。
中はたくさんの人達で溢れているのではあるまいか・・・?
北海道育ちの担当者。混んでいる所は大嫌いです。
「どうしようかな。」
迷っていると、右写真の看板が目に入りました。
「そうだよね。やっぱり見ていこう。」

太っ腹

博物館や資料館内では、カメラ撮影を禁止しているのが普通です。
「ここもダメだろうなぁ。」と半ばあきらめ気分で入りましたが、入り口の表示説明によると、「萱野茂二風谷アイヌ文化資料館」で撮影したことを表示して使用するのであれば、撮影してもOKとのこと。喜んでデジタルカメラの電源をONにしました。

ここにいたのね

バスが2台もとまっているのに、資料館の中は妙に空いています。
いや、空いているというよりも資料を見ているのは私を入れて2人だけ。
「あのバスに乗っていた人たちはどこへ行ったんじゃ?」
不思議に思っていると、研修室のような広い部屋に、修学旅行生でしょうか、高校生くらいの学生達がびっしりと座っていました。
生徒達の前には、かっぷくの良いおじいさんがマイクを持って立ち、アイヌ民族の文化や歴史について熱心に説明していらっしゃいます。

予想以上の展示数

資料館の中には、数え切れないくらいたくさんの展示物が収められています。
説明書きを読みながら一つ一つ丹念に見ていくと、全て見終わるのに2時間以上はかかりそうです。

願い

百年以上も前のものもあるというアイヌ民族の衣服が多数収められていました。
住んでいる地方によって衣服のデザインもかなり異なります。
丹精を込めて縫い上げられた一つ一つの模様には、着る人を美しく飾りたいという気持ちの他に、その人を守りたいという願いもこめられているようです。 

インターナショナル

2階に上がってみると、急に雰囲気が変わりました。
それもそのはず。2階には、中国やアメリカ、オセアニアなど、世界の先住民族の貴重な資料が展示されているのです。
それにしても、お面は世界中のあらゆる地域にあるもののようですね。

とりあえず入る

1階へ降りていくと、学生のご一行様がちょうど帰るところで、ほどなく講演が行われていた部屋には、だーれもいなくなりました。
入って良いのかどうか分かりませんが、とりあえずその部屋に入ってみると、ずらりと並べられたパイプイスを取り囲むようにして、長さ4・5メートルほどもある馬鹿でかい魚の剥製など、大型の展示物が置かれていました。展示物には、丁寧に手書きで書かれた説明書きも添えられています。

本物

上の魚の説明書きです。
この魚の寿命は50年から100年ほどもあるそうです。
本文の終わりには「本物の鮫肌を感じて下さいね!」との一言が。
そのとおり触ってみると、サンドペーパーに触れたような感触。
なるほど。鮫肌という言葉の由来を身をもって理解することができました。

何故ここに?

部屋の片隅に置かれていた大きな天狗のお面。
高さは1メートル以上あるでしょうか。
日本一大きな天狗のお面だそうです。

巨大展示物が納められている部屋に、直接外へ出られる出口がありました。
そこから外へ出てみると、資料館の入り口の前に、先ほど講演をしていたおじいさんが立っていました。
まぶしそうに遠くを眺めるおじいさんの深い瞳。
「こんにちはー。」
誰にでも挨拶をする癖のある担当者、思わずにこやかに挨拶してしまいました。
「・・・こんにちは。」
見知らぬ人にいきなり挨拶されて、おじいさんもいささか当惑気味。
びっくりさせてごめんなさい。悪気はなかったんです。

またお会いしましょう

資料館の周りには、かつてアイヌ民族の方々が暮らしていた集落の姿なのでしょう。茅葺きの家々が立ち並んでいました。1回座ると3年長生きするという「長寿の長いす」などもあったりします。
資料館周辺の心和むエリアで一休みした後、資料館を後にしました。
『アイヌ民族の考えでは、天から役目無しに降臨した物は一つもない。虫でも、鳥でも、どんな生き物であっても、食べ物を奪い合うことをせずに分け合って食べていたものでした・・・。(平取アイヌ文化保存会パンフレットより抜粋)』
「アイヌ語に「さようなら」という言葉はありません。「またお会いしましょうね」という意味の「スイ・ウ・ヌカラ・アン ロー」という言葉があるだけです。それでは皆さん「スイ・ウ・ヌカラ・アン ロー」」
講演の最後にそう語りかけていたおじいさんの太くしっかりした声が、今も担当者の耳に残っています。