郷土資料室

2000年03月13日(月曜日) 天気:午前6時の気温-8.8度

占冠村物産館

郷土資料室

JR占冠駅前にある占冠村物産館の2階には、占冠村の郷土資料室があります。
臨時休館はありますが、基本的には年末年始を除いて年中無休、入館料無料ですので、占冠村へお越しの際は是非お立ち寄り下さい。 

室内

郷土資料室には、この地に入植者が入った頃からの貴重な品が納められています。規模は決して大きくありませんが、ここに陳列されている品々を見ていると、この厳寒の地を開拓した人々の息づかいが聞こえてくるようです。 

占冠村は昔から林業のまちとして発展してきました。写真は昔使われていたのこぎりです。刃渡りが1メートル近いものもあります。 

アンモナイト

手前の二つが亀甲石。左上にあるのがアンモナイトです。占冠村ではかつてこの亀甲石とアンモナイトがたくさんとれたそうです。
「昔は良くアンモナイトを一杯のせた馬が峠を越えていったもんだよ。」
数年前、村のおじいさんがそう言っていたのを思い出しました。
ところで、そのアンちゃん(アンモナイトのこと)は何処へ行ってしまったのでしょう。アンモナイト好きの私としてはとても残念です。
占冠村の隣町である穂別町でも良くアンモナイトが発掘されます。穂別町の歴史博物館には直径1メートルにも及ぶアンモナイトが展示されています。是非一度ご覧下さい。そこへ行けば、アンモナイトだけではなく様々な太古の歴史を学ぶことができますよ。 

やわらかな日差しの中で

郷土資料室の隣には、江戸っ子のマスターが経営するレストラン「きっちん 占山亭」があります。
「そういえばマスター元気かな?」
そっと店の中を覗いてみると、マスターである西山さんが一人、やわらかな午後の日差しの中で窓の外をじっと眺めていました。 

セキレイ

そっと店内に入っていきましたが(ほとんど泥棒)、マスターがこちらに気づいてしまいました。
「いらっしゃいませ。」
「何やってらっしゃるんですか?」
「セキレイが来ているんですよ。」
マスターの視線を追ってみると、なるほど丸くなったセキレイが一羽ベランダでひなたぼっこをしていました。
「ふくら雀ならぬふくらセキレイですね。」(ふくら雀・・・寒さを防ぐため、自らの羽を立て、まん丸になった雀のことです。)
「ええ。餌を置いておいたら、それを食べながら朝からずっと遊んでいるんですよ。」
我が子を見つめるように小鳥を見つめる西山さん。
東京生まれの東京育ち。2年前に占冠村に来られたばかりなのに、もうこの村の豊かさに気づき、ここでの生活を心から楽しんでいらっしゃるようです。 

静かな午後

「コーヒーでも飲まれませんか?ご馳走しますよ。」
物音一つしない冬の店内。西山さんはゆっくりと立ち上がると厨房の中へ消えていきました。 

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