エゾミソハギ

1999年08月26日(木曜日) 天気:晴れ

写真を撮りにこい!

占冠村の短い夏も終わろうとしている8月末の昼下がり。村内の双珠別という所で花屋さんをしている伊藤さん(通称「ひげさん」)が突然役場産業課へやって来ました。
「おい、三浦君。畑の前のエゾミソハギがきれいに咲いているんだ。写真を撮りに来てくれ。デジカメで。」
「嫌ですよ。面倒くさい。何のためにですか。」(態度悪し。)
「アホ、あの紫の花が美しく咲き誇る風景を一人でも多くの人に見てもらいたいと思うのが花を愛する者全ての願いなんだ。」
「ま~た訳のわかんない事言ってる。大体なんでデジカメなんですか?」
「そりゃあインターネットで紹介してほしいからよ。いろんな人に見てもらってタダで宣伝できるのは"今日のしむかっぷ"ぐらいだろ。」
「困りますねぇ。そんな個人的な宣伝は出来ませんよ。」(いじわる)
「個人的な宣伝ではない。村の美しい風景を紹介するのだ。即ち村の宣伝なのだ。花が開くのは午前中だから、明日の午前中に撮りに来てくれ。必ずだぞ。じゃあな。」
花を愛するがゆえに人の都合など全然考えないひげさんは、そう言い残して去っていきました。 

待っている人

次の日の午前11時45分ごろ、デジタルカメラを持って伊藤さんの畑へ向かいました。
伊藤さんは自慢のエゾミソハギの横で仁王立ちになって待っていました。 

イトウアイリスガーデン

伊藤さんの畑であり、また野外販売所でもある「イトウアイリスガーデン」の入口です。
伊藤さんはジャーマンアイリスを栽培したいばかりに埼玉県の浦和市から北海道の占冠村へ移住してきた変わり者?です。
「占冠村はジャーマンアイリスを作るには絶好の土地なんだ。でもナ、最近はジャーマンアイリスなんか売れねぇんだよ。」
とは伊藤さんの弁。
「じゃあどうすんですか?」
「それを今考え中なんだ。いっしょに考えてくれ。何か儲かる話はないか?」 

エゾミソハギ

伊藤さんが自慢していたエゾミソハギです。
爽やかな紫と清冽な空気、花畑を舞うたくさんの蝶とそれを懸命に育む人々・・・。
こんな風景を見ていると、本当に「この土地に住んでいて良かったなぁ。」と思えてしまいます。
ここにいると世の中の嫌なことも、パチンコで負けたことも、二日酔いの苦しみもさえも全て
忘れてしまいそうです。 

一生懸命蜜を吸っている蝶です。
伊藤さんは目を細めて蝶たちを見つめておりました。 

私は花が好きなんです

イトウアイリスガーデンを営む伊藤さんです。
自然を愛し花を愛しついでにお金も愛する?伊藤さんの真摯な姿にはいつも感銘を受けてしまいます。 

来たらよってくださいね

伊藤さんの花畑は国道237号線沿いにあります。札幌・千歳方面からマイカーで占冠・トマムへお越しの場合は必ず
横を通ることになります。
占冠村へお越しの際は、伊藤さんの花畑で花をながめ、白樺の木陰で一休みしてみませんか。近くには素敵な喫茶店もありますよ。 

ここにあります

イトウアイリスガーデンは、日高町と占冠村中央部のほぼ中間地点にあります。
札幌方面からは国道274号線を通り、日高町から国道237号線に入ります。日高町からはおよそ7、8分しかかかりません。
トマムや富良野へお越しの際は是非お立ち寄り下さい。 

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