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幻の椎茸

2001年05月21日(月曜日)

占冠村役場ゴミヤード前にて

幻のしいたけを前に

占冠村役場産業課の朝

占冠村役場産業課の朝、
産業課の裏口のドアから田中林務係長(通称「親分」)が、血相を変えて入ってきました。
「おい、林務車に置いてあった椎茸知らんか?」
一様に顔を見合わせる産業課の面々。
「あのー、ひょっとして後部座席に置いてあったビニール袋ですか?」
おずおずと答える私。
そう言えば先週の金曜日、イトウ・アイリスガーデンの取材に行った時、後部座席で異臭を
発していたビニール袋を捨てていたのでした。
「オウ、それそれ。どうした?」
「捨てちゃいました。」
「なにー!」
「だって腐った匂いしてたんだもん。ビニール袋を2枚重ねにして捨てちゃいましたよ。」
「ばかやろ!腐ってなんかいねえよ。あれが天然物の匂いなんだ!」
田中親分、怒りで声が震えています。
「まだ朝ですからゴミヤードにあるんじゃないですかね。」
「よし、ちょっと探しに行くべ。」
「見つからなかったら笑ってごまかそう・・・。」
そう思いつつ、役場のゴミヤードへと向かったのでした。

あったー

意外にもあっさりと椎茸の入ったビニール袋が見つかりました。
しかし、辺りには相変わらず(腐ったような)独特の匂いが漂っています。
「いやー、良かったですね。・・・でも腐ってませんか?」
「だーからこれは腐った匂いじゃないんだって!」
再び親分の怒りに火をつけたようです。

幻のしいたけ

これが天然の椎茸です。
山深いこの村でも、天然物の椎茸を食べたことのある人は大変少ないのです。
非常に肉厚で、養殖の椎茸とは比べものにならないくらい美味しいと言われる天然椎茸。
山菜の類はほとんど食したことがあるはずの森林組合の方が、「一回でいいから食ってみてえなあ。」と言っていたのを思い出します。

豊かな頃

「あら、こりゃいい椎茸だ。今時珍しいねえ。」
騒ぎを?聞きつけてやって来た近くにお住まいの今井幸さん。
「昔はね、キノコ採りの名人がいて、天然の椎茸を背中の籠一杯に採ってきたもんだよ。」
山々がはるかに豊かだったその昔、今では幻となった天然椎茸も、村人みんなが楽しめる春の味覚だったのかもしれません。

天日で消毒

「よし、少し干しておこう。」
3日間ほどビニール袋に入っていたため、やはり痛んでいるものもあるようです。
痛んでいないものをコンクリートの上に広げ、しばし天日で干します。
さすがは香り高い天然椎茸。
乾いてくると、あの椎茸特有の良い香りが辺り一面に広がり始めました。
「やっぱり腐っていませんでしたね。」
「だーから、最初からそう言ってんだろ!」